グレッグ・グッド『ダイレクトパス』発売日

 
グレッグ・グッドのThe Direct Pathの邦訳『ダイレクトパス』の発売日が6月20日6月21日に決まったようだ。

前の『気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう?』が「グレッグの赤本」だとしたら、今回のは「青本」だ。

原書はけっこうなページ数で、そして自分でも実験を繰り返しながら訳を進めていたせいで、出来上がるのにだいぶ時間がかかってしまった。長く読まれる本になりそうな予感があったこともあり、これまで以上に念を入れたかもしれない。

世界、身体、心の順番でダイレクトパス式の実験を進めながら解説をするタイプの本。40程度の実験が紹介されている。

面白いのは、同じ実験でもそのときどきによって発見が異なっていることだ。「そりゃそうでしょ」という感じで発見が特にない場合もあったりするが、別のときに同じ実験をしてみると、「あれ?」となることがある。

だから、バーっと流し読みをするというよりも、じっくりと腰を据えて取り組むのがいいように思う。ネットには本書の読者専用のグループもあって(英語)、それを見ていると、それぞれの人がいろいろな箇所でひっかかっている。1年、2年と続けていたら急に突破したというような話もあった。

どんな人に向いているか、どんな人におすすめできるかは、よくわからない。何かの縁のある人が自然に手に取ることになるのではないかなと空想している。

『ダイレクトパス』 (グレッグ・グッド)

目次は以下のとおり。

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はじめに
この本の使い方 / 誰のための本か / 愛 / 非二元の探究と従来型の療法 / 中心的な問題 / ダイレクトパスにおける解決法 / ダイレクトパスはどう機能するか / ダイレクトパスの何が「ダイレクト」か / 本書が採用するアプローチ / 分離 ― 客観性という虚偽の主張 / 客観性と主観性の両方からの自由 / 用語についての注釈 / 誰が認識するのか、これを書いているのは誰か

第一部 世界
物体 / ここでの戦略 ― 客観性の有無を検証するため / 素朴実在論 / 知覚相対性の批判 / 表象実在論と「知覚のベール」/ 現実効果 / 実験について / 聴覚 / 視覚 / 嗅覚 / 触覚 / 味覚 / 激しさ / 動き / 巧妙な現実効果― 複数の感覚の一致? / 世界に関する結論

第二部 身体
物体として / 感じる主体として / 気づきの容器として / 物体としての身体 / 感じる主体としての身体 / 身体は何を感じているのか / 知覚作用 / 痛み / 感じる主体としての身体に関する結論 / 容器としての身体 / 西洋文化における容器のメタファー / 気づきは脳から生じるのか / 容器としての身体についての結論 / 身体― まとめの実験

第三部 心
なぜ心が重要なのか / なぜ心を調べるのか / 心を出し抜く / 幕間の豆知識 / 機械の中の幽霊 ― 疎外を生み出すメタファー / 容器のメタファー / 鏡のメタファー / 東洋も例外ではない / 直接の経験はどうなっているか / 心の構成部品 / 心の対象 / 同時にふたつの経験? / 心の構造 / 心の機能 / 心の状態 / どこまできたか

第四部 観照意識
二種類の観照 / 不透明な観照 / 不透明な観照を調べる / 欲求、意志、選択 / 気づきにレベルはあるか / 時間と空間 / 真実 / 透明な観照 ― 苦しみの終わり

第五部 非二元の認識
となると、何が残ってる? / 道からの自由 / 愉しいアイロニー / 愉しいアイロニーと言語 / ダイレクトパスにおける教え

訳者あとがき / 注 / 索引

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追記: Amazonでのタイトル表記が「ダイレクト パス」と間に空白が入っていることについて、「ダイレクトパスではなくてダイレクト パスなのか」というメールが届いた(笑)。タイトルを決めるのは出版社で、訳者は関与していないのでこれはなんとも言えないが、「ナチュラル スピリットのスター ピープル」とか「プレミア リーグでのスーパー ゴール」などとは書かないはずだから、たぶんこれは直されるはず。ちなみに別のオンライン書店(ここここ)では「ダイレクト・パス」になっている。

グレッグ・グッドの翻訳記事一覧

 
非二元の探究 1 / 2 / 3 / 4

ダイレクトパス グレッグ・グッドのインタビュー

思考からの自由

グルの時代の終焉

脳と意識

グレッグ・グッドのインタビュー 2011年 1 / 2 / 3 / 4

ナチョ・サットサン

物体の消滅

すべきことはあるのか?

悟りは経験できない

自由意志と自由

非二元のよくある質問

 

『気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう?』発売

 
翻訳させてもらった本が発売される。

気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう?

気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう?―ダイレクトパスの基本と対話
著者: グレッグ・グッド
出版社: ナチュラルスピリット
発売日: 2014年5月20日
価格: 1,500円+税
Amazon

原書は、このブログでも何度か触れている Standing As Awareness。発売済みの他の本よりも前にじつは訳していた。でも、訳の出来がひどかったせいでしばらく棚上げになっていた。全体的にやり直して、根気強く編集してもらって、ようやく本のかたちになったもの。

そのあいだにいろいろな表現に触れたことで、誤読していたところに気づいたりもしたから、結果的には良かった。

ダイレクトパスの入門書だが、その一言では括れない本。ダイレクトパスって何?という好奇心を満たしてくれるのは間違いないが、それ以上の破壊力がある (あれ? 破壊できるものなんか何もなかったのかぁ、といういつものオチだけど) 。

個人的には、ルパートなどのミーティングやリトリートで何回聞いてもわからなかった点が、この本にある実験をしたり対話のパートを何度か読んだりして初めて腑に落ちたという、ありがたい本でもある。(単なるタイミングの話かもしれないが)

スピリチュアル本のコーナーに置かれることになるはずだけれども、いわゆるスピリチュアルな感じはそれほどない。何かの境地を求めるというよりも、経験とは何か?という側面を攻める本だから、どちらかと言えば哲学に近い雰囲気もある。

ただし、ダイレクトパスが示すところをグレッグが認識したときのストーリーなんかも登場するし、対話篇では「悟り」にまつわる誤解を丁寧に徹底的に解いていたりするから、いわゆる悟り系、目覚め系が好きな人でも面白く読めるはず。

それと、ダイレクトパスならではの実験もいくつか登場する。『わかっちゃった人たち』を読んで、「方法が全然書かれてないじゃん」と不満を感じた人にはいいかもしれない。(著者のグレッグは、「方法なんて必要ないし、そもそも今ここしかないのに方法を使ってどこに行けるって言うんだい?」 というような決まり文句を繰り返すタイプではない)

対話のパートが始まる前の最初の三章は、けっこう堅い印象が強い。何かの講座のように感じて眠くなる人もいるだろうと思う。そういう場合は、読みやすい対話の方を先に読むと楽しめるはず。

もちろん、サッカーのパスの本ではありません。攻撃力はあるけど。

= 目次 =
 気づきの視点に立つには
 気づきと恋に落ちる
 観照─その定着から崩壊まで
〔対話〕
 ダイレクトパス
 あなたの経験
 化学研究者の来訪
 では、どう話すべきか
 意識は非二元的か
 物質は探究の妨げになる?
 自分とは何か
 悟りを経験したいのはなぜか
 サットサンで悟れなかった理由
 悟りの社会的イメージ
 探究は分離感を強めるか
 「悟り」の物語
 気づきに対する執着
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ダイレクトパス グレッグ・グッドのインタビュー
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