Amazonレビューレビュー。

 
本が好きだから、Amazonが日本で商売を始めたときはけっこう狂喜した。Amazonが薦めるままに本を注文していたら、年間で数十万円も買っていて驚いた記憶もある。

今はさすがにそういうことはない。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とか「よく一緒に購入されている商品」のところに「オッ」という本が並んでいても、すぐには買わない。まずはメモしておいて、それがたまってきたらジュンク堂など地元の書店に行って実物を見て、買うかどうかを判断する。結果、9割は買わない。

それでもAmazonには大きな魅力があって、それは早い配達ではなく (最近は山梨でも当日に到着したりするからびっくりするが)、レビューだ。

といっても、自分が訳した本に書かれた五つ星レビューを眺めてニヤニヤするとか、そういうことではない (するけど)。

「これはいいねえ」という本に出会ったときに、その本のAmazonレビューを見て、いい感じのレビューをピックアップして、そのレビュアーさんが書いた他のレビューを読む。誰でもやっていることだとは思うが、これがけっこう素晴らしい出会いにつながる。

つい最近の例だと、as it isさんという方 (レビューページ) 。非二元だけではなく認知療法や宗教など幅広くユニークなレビューをしていて、その人がハーディングの本のレビューのなかで、モーリス・ズンデルという名前に触れていた。

目にしたことがなかったから調べてみたが、だいぶ前に亡くなっているスイスの司祭だということだった。それがきっかけで、『沈黙を聴く』という素晴らしい本を知った。

さらに、その『沈黙を聴く』にすごく静かで奥行きのあるレビューを書かれているクロネコさんというレビュアーさんの存在を知った(レビューページ)。この方はかなりの数のレビューを書かれているのだが、エックハルト・トールやフランシス・ルシールの本にも、控えめでありながらなんとも言いがたい説得力が感じられるレビューを記している。

そのおかげで、エックハルト・トールの未邦訳本や、食わず嫌いだったティク・ナット・ハンの本をいくつか知ることができた。他のルートでは多分出会わなかったと思う。

それからミラーナイトという名のレビュアーさん (レビューページ) がいる。仏教、禅、中論などの本に丁寧なレビューをたくさん書かれている。たしか荘子の本経由でその存在に気づいたのだったと記憶しているが、その方のレビューで可藤豊文という人を知り、『自己認識への道』というとんでもない本 (いい意味で) を知ることになった。

Amazonのレビューシステムがなかったら、まず出会わなかっただろうと思う。本屋でも可藤豊文氏の著書は一度も見かけたことはない。

こういう出会いはAmazon.comやAmazon.co.ukでも当然あって、これまでに何冊も素敵な本に出会っている。(ジョーイ・ロットもきっかけはAmazon.comだった)

ただ、必ずうまくつながるというわけでもない。たとえば、自分がものすごく気に入った本に、「この本は最高だ。非二元の本、悟りの本を今までに100冊以上読んできたが、これがあれば他はいらない」とレビューしてあって、「そうだよ、本当にそう」と思いながら、その人の他のレビューを読むと、それっきりになっている例。つまり、本当に探求が終わってしまったらしく、それ以降は家電製品やサプリのレビューばかりになっている。

それはそれでめでたく思わないといけないのかもしれないが、本好きとしては不満が残る。特に僕の大好きな J・C・アンバーシェルあたりについては、彼と同じくらい素晴らしい著者や本を誰か紹介してくれないかなあと、Amazon.comのレビューを定期的に覗きにいくのだが、皆無ではないけれど、あまり成果がない (新たに知ったのはCharlie Hayesくらい)。

と書いていて気づいたのだが、自分でレビューを書いていないからかもしれない。受け取るばかりじゃなく、ちょっと書いたほうがいいのかも。

それで思い出したが、「ヒロさんはAmazonレビューを読むとアジズのSPをけっこう重要視しているのに、ブログではほぼ触れてませんね」と数年前に誰かからメールが来たことがある。

これは「ヒロ違い」で、非二元本を何冊もレビューしている別のヒロさんというレビュアーさんがいて(ここ)、その人と混同したらしい。僕はアジズもインドのディクシャ爺さんも好きじゃないし、そもそも非二元関係のレビューをAmazonに書いたことはない。

いずれにしても、Amazonには明らかに世話になっている。地元の書店を応援しなきゃと、和書はリアル書店で買ってばかりだったが、Amazon経由で知った本はAmazonで買うのが筋なのかも (洋書は今もほぼすべてAmazonだから筋は通してます)。

【おまけ】みずほさんの『オープン・シークレット』の感想、というかトニーの描写がすごい。こういう人に訳書を読んでもらえるなんて、僕は前世と前々世と (以下略) でよほど徳を積んだに違いない。
http://kamisamanokakurenbo.blogspot.jp/2017/01/blog-post.html

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