回復期の困難の軽減 ジョン・シャーマン

 
ジョン・シャーマンの自分自身を見るメソッドの特徴のひとつが、回復期の存在だ。薬の副作用、またはめんげん反応のようなもので、見ることの作用が完了するまでのあいだ、いろいろな面での混乱や不安が増大することが多いと言われている。

回復期は終わるまで終わらないという。そしてジョンいわく、完了を早める手段はない。

ただし、回復期のつらさを軽減するためにできることがひとつだけあるとも言っていて、それは注意を向ける先をコントロールするエクササイズで、以前は Practice of Focused Attention (注意の焦点を合わせる練習) と呼ばれていたが、今は Directed Attention Excercise (注意を向けるエクササイズ) という名前になっている。

このエクササイズをしても回復期のつらさはちっとも軽くならない、という報告もあるようだが、このエクササイズをしていなかったらもっと酷いことになっていた可能性もないとは言えない。

ちなみに、人間が自分でコントロールできるのはどこに注意を向けるかということだけだ、というのがジョン・シャーマンの主張で、このエクササイズはその唯一のコントロール能力を向上させるのに適しているそうだ。

原文: Directed Attention Exercise (JustOneLook.org)

== 以下、訳 ==

注意を向けるエクササイズ

このエクササイズの目的は、心のあらゆる側面と心理的構造をかたちづくってきた恐れという文脈が崩壊したあとの困難な期間において、自己信頼を醸成するのを助けてくれるもっとも役立つスキルを伸ばすことだ。

ここで覚えておいてほしいのは、恐れという文脈が、心のあらゆる側面と心理的構造がつくられる過程をコントロールしていた、ということだ。

自己信頼を深めるのに何よりも効果的なのが、思いどおりに注意を動かしたり注意の焦点を合わせたりする能力を伸ばすという方法だ。このエクササイズは、ひとつの対象に注意を集中させて他のすべてを無視する能力を強化するが、それはこの力を賢く使う際の自然な能力を向上させるひとつの手段となる。

このエクササイズは、一度に10分ほどおこなう。タイマーを使用して、終了の時間がきたらわかるようにしよう。

姿勢に特別な注意を払う必要はない。続けて10分間座っていられるような楽な姿勢でいれば十分だ。目は開けたままでもいいし、閉じてもいい。

このエクササイズでは呼吸を使うが、それは呼吸は勝手に起こっているもので、意識して注意を向けていなくても呼吸が止まることはないからだ。

落ち着いて座って、息が体に入り、体から出ていくようすに注意を向けてみよう。呼吸がどう起こっていても、それをコントロールしたり監視したりしないようにする。息が鼻孔を通って体を出入りするその感覚をただ見守る。体に息が入ってくるときには鼻孔を通り抜ける感覚は冷たく、体から出ていくときには息が温かいことに気づくだろう。鼻孔のその感じ、その感覚に注意を向け、そこに集中しよう。

鼻を出入りする息の感覚にしっかりと焦点を合わせてみる。息が出ていくたびに、頭のなかでその回数を数える。1、2、3 …。息を吐き終えたら1、つぎの息を吐き終えたら2、という感じに。

息を数えているあいだに注意がどこかに逸れて、呼吸の感覚以外のもの ― 身体の感覚、思考の流れ、音、かゆみ、視界を横切るもの ― に注意が移っていることに気がついたときには、自分の内側に向かって声に出さずにただ言う。「気が散った」。そして呼吸に注意を戻して、もういちど1から数え直す。カウントが10になったら、また1に戻る。

これを1日に1回、10分間おこなう。おそらく最初は2か3までしか数えられないだろう。気を落とさなくてもいい。続けよう、あきらめずに。何度やっても2か3より先に進まないとしても、うまくいっている。覚えておいてほしいのは、大きな数字になるまで数えるのがこのエクササイズの目標ではないということだ。このエクササイズの目標は、自分の注意を思いどおりに集中させる能力を育て、高めることであって、筋肉を育てて鍛えるためにウェイトリフティングや腕立て伏せをするときのようにおこなえばいい。

ほかに気を散らすことなく大きな数字になるまでカウントできている場合には、もっとしっかりと注意してみよう。注意が分裂してしまっている状態で自動的に回数だけを数えているということはよくある。しっかりと注意を向けよう。がっかりせずに。

このエクササイズを十分に役立てるには、まず自分自身を見なければならない。以下の指示に従えば、いますぐに自分自身を見ることができる。

自分自身をじかに見るには

== 訳は以上 ==

メソッド関連は一区切りなどと言いながら、さっそく訳しているが、このエクササイズはジョンのいろいろな文章で言及されていて、もっと早くに紹介するつもりだったのに抜けていたもの。

よくあるエクササイズのようにも見えるから、この指示の細かいところにこだわる必要は特にない気がするが、ジョンの長年の経験から導き出されたものだから、メソッドを補助するエクササイズとして訳してみた。

広告