読んだ本、読みたい本

 
この何ヶ月か、読書の傾向が変わってきて、非二元の本、スピリチュアル系の本はほとんど手にとっていない。最近読んだ本のことをちょっと書いてみたくなった。

まず、山田太一『異人たちとの夏』。映画のタイトルとしては知っていたが観たことがなく、本も今回はじめて読んだ。いつも寝床で本を読んでいても夜10時半くらいには眠くなってしまうのに、これは例外的に12時を過ぎても全然止められなかった。懐かしさが溢れていて、けっこう泣いてしまった。ハートにくる。

それから渡辺京二『気になる人』。恵文社一乗寺店で見かけて知った本。地元の図書館で借りた(スミマセン!)。熊本の面白い人をインタビューした本で、力の抜け具合と力の入っている箇所のバランスが県外人であるせいか自分にはよく理解できず、そこが妙で楽しい。

そして、これも恵文社一乗寺店で知った (買えよ!) 『翻訳に遊ぶ』 (木村榮一)。スペイン語文学翻訳者の著者が翻訳をはじめることになるまでの前半部分がすごく良かった。まっすぐさがまぶしく、翻訳愛がじわっと響く。こういう人に訳してもらう作品は幸せだ。

タブッキの『逆さまゲーム』。須賀敦子訳。彼の『インド夜想曲』は、その展開にびっくりしつつ、あまりついていけなかった思い出があってタブッキ作品からはしばらく遠ざかっていたが、この短篇集もなんとなくその系統に近い。でも、なぜか各作品の香りが今もそこらじゅうに漂っている感じがあって、それが不思議だ。そのあと他の翻訳者によるタブッキ作品をパラパラめくってみたら、味わいがまるで違っていて驚いた。

グレイス・ペイリーの『人生のちょっとした煩い』。読みながら「なんでこんなの読んでるんだっけ?」と何度か感じた記憶がある。どの話もはじまって数行で世界に引きこまれてしまうものの、簡単には噛めない食べづらさみたいなものがずっと続く。それでも、「こういう人生を生きてたことあったかな」というおかしなリアルさがやってくる。

それから、読みたいと思っている本のこと。

吉福伸逸さんの遺稿『世界の中にありながら世界に属さない 』。今月終わりに発売されるそうだ。どんな内容なのかはわからないけれど、楽しみにしている。サンガの本はデザインが綺麗ですね。『吉福伸逸の言葉』が良かったら、その続きで。

C・オットー・シャーマーの『出現する未来から導く』。けっこう厚くて漢字が多そうだから買うかどうかはわからないけど (買え!)、読んでみたい。翻訳の中土井僚さんのU理論のワークショップに5、6年前に一度だけ出たことがあって、すごく面白かった。何かのための方法というよりも、そのプロセス自体が作品というかひとつの完成された体験で、自分でやっている気がしない手放しな感じが新鮮で驚きだった。

『本を読むときに何が起きているのか』 (ピーター・メンデルサンド)。何か目新しいことを言ってそうな翻訳もののビジネス書に弱く、5年くらいまでは書店で見かけるたびにいちいち飛びついていた。8割以上はハズレで、そのうちに買うのをやめたが、これはなんとなく読んでみたい。

尹雄大さんの『やわらかな言葉と体のレッスン』は、今いちばん楽しみにしている本。もとになった連載は後半部分しか読んでいないけれど、どれも刺激的。『体の知性を取り戻す』も良かったから、当然これも期待してしまう。新しいことが無性にやりたくなるのと、今すでに目の前にあるものがとても大切に思えるのと、それがなぜか両立してしまうという魅力が彼の文章にはある気がする。

『TRUE PORTLAND』2015年版。なぜか地元書店になかなか入ってこない。2014年版はとても良かった。成田空港が遠くなり、外国に行く気力がなかなかわいてこないけれど、ポートランドは一度でいいから行ってみたい。朝、おいしいコーヒーを飲みながら、サンドイッチでも食べたい。

あとは、ジョン・シャーマンの新刊。今年の秋に出る予定らしいが、出版資金があまりないようで、予定どおりには行かないのかもしれない。ちょっと寄付をしたりしてみたけれど、出てくると嬉しい。

と、こんなことを書いていると、「そんなに読んでる暇があるならさっさと仕事せい!」と言われそうだから、これくらいにしておきます。

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読んだ本、読みたい本」への5件のフィードバック

  1. 吉福さん懐かしいです。昔、追っかけでした。

    ツーショットの写真大事にしたりしてました。

    お亡くなりになったのだそうですね。

    とても残念です。

  2. かいりきまーちゃんさん、こんにちは。

    吉福さんが余命を宣告されてから亡くなるまでのあいだについて、『吉福伸逸の言葉』にはいくつかのエピソードが書かれていますが、彼の言う「存在の力」を地で行くような話だなと思いました。

    僕は一度ワークショップに参加したという、それだけの縁なのですが、怒った後のかわいい笑顔とか、情念と印象の話とか、かなり深く印象に残っています。

  3. いつもブログ拝読してます。吉福サンの遺稿出版されるんですね。僕も一度ワークショップ参加したとき、参加者のひとりが死と向き合う寄り添う姿が印象に残ってます。この宇宙にいくんだね、と、話し、その方は翌日ワークショップ会場から、病院に移送され、旅たたれました。僕も拝読したいと思います。出現する未来も、プレゼンス的なにおいがして、こんな感じで起業がおもしろいと最近考えてました。紹介ありがとうございます!

  4. タケモトリョウコウさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    埴谷雄高の死後に彼の周辺の人たちにインタビューした本を読んでいたのですが、ある意味では巨人と言ってもいい存在なのに、どの人も自由に埴谷雄高のことを批判していて(そうでありながら愛さずにはいられないという感じで)、それがすごく新鮮でした。吉福さんもその世界では巨人と言うべき存在のはずですが、『吉福伸逸の言葉』では弟子の方たちが好き勝手にイジっていて、こういう人はいいなあと思いました。

    U理論が「プレゼンス的」というのは、本当にそういう感じがします。今ここに目の前にあるものにしっかりと注意を向けると、未来の可能性がパカっと開く感じがあったりして、それが僕にとっては驚きでした。ストーリーではないところからすごいストーリーが生まれるというような。そんな感じで起業なんて、楽しそうですね!

  5. そうそう、一切の過去参照がないからなのか、最初は未知との遭遇的な恐怖がありましたが、最近は、好奇心、これですね♪ありがとうございます。

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