『ただそのままでいるための超簡約指南』発売日

 
J・ジェニファー・マシューズ著『ただそのままでいるための超簡約指南』 (原題 Radically Condensed Instructions for Being Just as You Are) の発売日が10月9日8日に決まったそうだ。(ナチュラルスピリット社のFacebookページ)

ただそのままでいるための超簡約指南

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著者の唯一の著作で、本文90ページ弱とかなりコンパクトな本ではあるけれど、中身は詰まっている。非二元について書かれたものだが、これまでに読んだどの本とも違う独特の雰囲気というかノリがある。

非二元について語られる場合、「世界の中で経験は起こるが、それは自分に起こっているわけではない。個人が経験しているのではないのだ」という言い方がよくある。

この本では、「個人」の存在は当然ながら、「世界」とか「経験」という概念そのものも根底から問い直している。知覚や感覚器官という概念についてもユニークな扱い方をする。

個人は幻想だとか、世界は幻想だという一般的な切り口には限界がある気がしているのだが、そこを軽く乗り越えている印象。

いわゆる「スピリチュアル」なエピソードも含まれてはいる。経験の中に自分はいないということを実例で示している部分なのだけれども、ちょっと特殊でそこだけは保留したい気分もある (と思っていたら、「ライティングデスクは〜」というまさにその部分が帯に引用されていて、ちょっと苦笑)。 でもまあ、それも含めてこの一冊の本だ。

どういう人にとって面白い本なのかはちょっとわからないが、ダイレクトパスに興味がある人にはたぶん面白いはず。ダグラス・ハーディングが好きな人にも。悟り、覚醒に向けて邁進するぞ!という人にとっては、何のことを言っているのか意味不明な可能性もある。どんな意味でも「得る」本ではないからだ (というか、「得る」ことは絶対に不可能だということがまさに明らかにされてしまう本) 。だから逆に、「追いかけるのに疲れた」という人には案外いいのかもしれない。

この日本語版はこの分野では珍しい感じのデザインになっていて、それもちょっと面白い。それと、こういう異色というか風変わりな本もあっさり出版してしまうナチュラルスピリットには今回ちょっとびっくりした。

ちなみに著者はボストン在住で、こんな人 => Amazonの著者ページ

会ったことはないが、メールで何度かやりとりしたかぎりでは、すごくさっぱりすっきりしている印象。ジョーイ・ロットやグレッグ・グッドと似た気持ちよさを感じる。教えている人ではなく、いまはホームレスの人たちの施設で働いているという。

個人的には、出会えたことに深く感謝している一冊。

10月2日追記: 原書を読まれた方がブログでとりあげてくださった。「小さな宝石」、まさにそうだなと思う。神様のかくれんぼ 〜悟りという名の蜃気楼〜

10月15日追記: 愉快で鋭い感想を書いていただいた。青雀の散歩未知

11月25日追記: 中野真作さんが嬉しい感想を書いてくださった。穏やかでせつない〜「ただそのままでいるための超簡約指南」を読んで

関連記事: 至福と「至福」 ジョーイ・ロット (コメント欄)

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『ただそのままでいるための超簡約指南』発売日」への14件のフィードバック

  1. 出版おめでとうございます。アメリカから買うのは高いので、日本に帰国するまで待たなくてはなりませんが、ヒロさんの翻訳を読むのを楽しみにしています。私にとっては、彼女の本で初めて、すべてのものがinvitationであると言った、トニーの言葉の意味がわかりました。ちょうどヒロさんが憂慮されてるコメットの章ですね(笑)。実はお気に入りの章です。

  2. わぉ〜
    買います❤︎読みます
    そしてとっても楽しみです〜❤︎

    ダイレクトパス、そしてルパートさんの伝え方が好きです。
    先日の高木悠鼓さんのワークショップにリアルヒロさんがいらっしゃったなんて!お会いしたかったです…残念です…笑
    今更ながらヒロさんの翻訳の本がうちに結構あることに気がつきました…
    これからも楽しみにしております

  3. sunflower4pさん、コメントありがとうございます。

    そういう大切な本なんですね。訳すことができて僕も楽しかったです。(僕はいまだにトニーのいうことの意味はほとんどわかっていませんが・・)

    グレッグの地下鉄駅でのエピソード(胸から光が放射状に云々)と同じで、コメットの章もミスリーディングになるんじゃないかと感じるのですが、歯医者の話は良くて神秘体験の話はダメだということ自体が観念的な区別で不要なものなのかもしれませんね。

    happybakeryさん、いろいろお買い上げどうもありがとうございます(笑)

    ルパートの詩的なリズムのようなものはこの本にはあまりなくて、どちらかといえば彼とは対照的なノリなので、お好みにあうかどうかわかりませんが、切り口の違いは楽しめるんじゃないかと思います。

    「リアルヒロ」はただのけちなおっさんです。違った想像をしていたら、見ないほうがいいですよ(笑)

  4. ヒロさん面白すぎます。ほんとにこのブログ、楽しませて頂いています。ちなみにウンマニに関するのポストを読んだときには、一人で大受けしていました。

  5. ヒロさんが翻訳なさった新刊、とても楽しみです。
    さっそくアマゾンで予約しました^^
    昨夜はものすごくしんどくて、『わかっちゃった人たち』をすがるように読みふけっていました。
    そんな私はなんにもわかっちゃいませんが、
    どこかにわかっているひとがいるんだなぁ…と思えるだけで、不思議と安心できました…。
    新刊の発売日が待ち遠しいです^^ 近頃の釣果はいかがですか?

  6. 発売日まで、待ち遠しいですね~
    本のデザイン、洒落てるなぁと思いました!
    ほのかな虹がとてもキレイです。
    ページ数はそこまでないみたいですけど、内容はかなり密度が濃そうなので、ワクワクしてます。
    早く読みたいです。

  7. ひかりさん、どうもありがとうございます。

    一見酷なようですが、「どこかに〜がいる」というまさにその概念を今回の本は対象にしています。といっても、そこに安心があるのを却下しているわけではなく、条件や状況に左右されない安心の在り処をユーモラスに教えてくれている感じです。

    釣りのほうはボチボチです。今週末は台風の風で海に行けそうもないので超ストレス状態です。平安はほど遠いです(笑)

    ネムノキさん、ありがとうございます。

    この本には「虹」の章があって、なかなか面白いです。カバーもそれに合っていて面白いなと思いました。密度はけっこう濃いです。90ページもないですが、すんなりは読めないかもしれません。

  8. ヒロさんがリンクしてくれた米アマゾンのページに行ったら Kindle版が$0.91 だったので、禅や非二元の知識のあるアメリカ人の友人にギフトとして送りました。
    ” It looks like I needed it and your heart knew and made sure that it was in my hands – and in the best way, since my Kindle can go anywhere with me. Yes, I will have fun”
    (彼女のメールより)
    とのことで、さっそく読むわと喜んでくれました。情報ありがとうございます。
    それにしても、便利な時代になりましたねぇ~!

    自分の iPad にもサンプルを送ったのでさっき読んでみましたが、ユーモアがあって軽やかな口調がとても心地良いですね。ヒロさんがどんな風に訳されているのかも楽しみです。
    原文ではとても90ページは読めない(最近は翻訳でもアヤシイ (^^;; )ので、あと3日、楽しみに待っています。

  9. inglewolfさん、こんにちは。

    ギフトという手は思いつきませんでした。Kindleの原書、本当に安いですよね。2年近く前にこの本の翻訳をさせてほしいと彼女に連絡したとき、「売れないと思うけど。5年後くらいにサンドイッチがひとつ買える程度の収入しかないかもよ」と言われたのを思い出します。

    女性の書いた本、しかも米国東海岸の人というと、あまり行ったこともないのでイメージがわかず、口調が想像できなかったので訳には苦心しました。読みづらくなっていなければいいのですが。

  10. ヒロさん、はじめまして。
    本日都内某書店にてお昼頃、まだ店頭に並んでいなかった
    『ただそのままでいるための超簡約指南』を奥から引っ張り出してきてもらい購入しました。
    一気に読みました。途中で読むのを止められませんでした。
    タイトルのとおり簡潔な内容で、でも要点がビシッと一切の無駄なく語られていて、
    ものすごく密度が濃くて・・・・・一生大切にしたい本です。
    ヒロさん、一生大切にしたい本を翻訳してくださって、ありがとうございました!

  11. NAGAさん、はじめまして、こんにちは。

    本を読んでいただいて、ありがとうございます。短くて、言葉もけっして親切とは言えない感じの本ですが、たしかに密度が濃いですね。「自分」がいて「世界」のなかで「個人的経験」をしているという図式を楽しく根本的にひっくり返すという点で、みごとな作品だと感じます。愛だよ、愛!とかうるさい主張がないのに、全体に愛が感じられるところもいいなあと思います。

    ちなみに僕は奥から引っぱり出してきてもらった経験はありません(笑)

  12. 新刊読みました。
    「穏やかでせつない…」いいですね。
    昔、祖母が使っていた「かなし(愛し)」という言葉思い出しました。

    38ページが特に好きです。
    もちろんライティングデスクの「やあ」も。

    次回も楽しみにしてます。

  13. mille blancheさん、読んでいただいてありがとうございます。

    ほっとする感じ、何も敵にしていない感じは原書の魅力なので、それを邪魔せずに訳せたのであれば嬉しいです。「セレクト」しているつもりはなくて、渇望を満たしてくれそうなものに手当たり次第に飛びついているだけなのですが・・・。

    ネムノキさん、どうもありがとうございます。本当にいろんな表現があるものだなあと思います。様式美を感じさせるような典型的な表現もあれば、どこから出てきたのか???という感じのものもあって、言葉や概念は現実じゃないという面もあるんでしょうが、やっぱり面白いです。

    具志堅さん、こんにちは。「かなし」という言葉は知りませんでした。言葉で世界が豊かになるという感じがする言葉ですね。ありがとうございます。

  14. 昨日からヒロさんのウェブを見ていて…もう本は買わなくていいなぁ~と思った。ここを読んですぐAmazonに注文した。笑 とても惹かれて…*

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