紹介したい人がいる ハーディング (1)

 
予告していたRaptitudeのダグラス・ハーディング紹介記事の和訳だが、ひとつだけ訳してみた。短いイントロ的なもの。

There is Someone I Think You Should Meet (Raptitude)

== 以下、和訳 ==

紹介しておきたい人のこと

ある人を紹介したい。

その名はダグラス・ハーディング。彼は優しくて上品なイングランド人で、1909年に生まれ、2007年に亡くなった。でも、理由はすぐにわかると思うけど、そういうことはあまり重要じゃない。

ダグラス・ハーディングについて書こうと思いながらずいぶん時間がたったのに、書かずにここまで来てしまったのは、彼の思想が僕の人生と人類にとってあまりにも大事なことだから、時間をかけてその思想をしっかり表現したかったからだ。

このブログ Raptitude を読んでいる人のほとんどは、生活の質を向上させるためのシンプルな方法を知りたいという目的意識をもっている。まさにそれがこのブログの存在する意味だ。ハーディングの教えはものすごく深いものだから、ほんとうにわかったら (それにそんなに難しくない!) 、どう少なく見積もっても、生活の質はこれまでに経験したことがないくらい向上するはずだ。そんなことがあるってことに気づいてもいなかったような未解決事項が片付いてしまうだろう。

4月12日に書いた記事「わざと死んでみよう (Die on Purpose) 」 (和訳未) のコメント欄に、ダグラスの教えのことを匂わすようなあいまいなヒントを残しておいた。その記事に少しでも関心をもった人は、今回の記事を見逃さないほうがいい。

この記事では、とりあえずダグラスのことを紹介しておきたい。彼の教えそのものは、これから書いていく記事で紹介していくつもりだ。いまのところ言えるのは、ダグラス・ハーディングについて僕がたっぷり書くだろうってことだけだ。ダグラスのことを詳しく知りたくて仕方なくなっている人なら、そのわけをそのうち理解するだろう。

下に置いた動画は、ダグラスがオーストラリアのメルボルンで1991年におこなった講演からの抜粋だ。今日はそれ以上の説明はしないけど、12分間ほかのことをする手を止めてこの動画をぜひ見てほしい。

ほとんどの人は、何を言おうとしているのか最初は意味がわからないかもしれない。なかなか面白いなと感じる人もいるはずだけど、それでもすごく感動するようなことはなくて、そのうちすっかり忘れてしまうだろう。なかには、この12分の動画が終わる前に退屈の限界値を超えてしまい、「閉じる」ボタンを押して、何か別のことをしはじめる人もいるはずだ。

でも、ごく少数の人たちは、ここにとてつもなく深遠な何か、たいていの「スピリチュアル」の話よりもはるかに具体的かつ曖昧さの少ない何かが存在しているのをおぼろげながら感じるだろう。そういう数少ない人たちは探求を続け、ダグラスの著作に触れ、自分自身についての信じられないほどすごい何か ― まったく考えたこともないのに、逆説的なことに、ずっと知っていた何か ― を発見するはずだ。

わけのわからないことを言っているみたいにちょっと聞こえるかもしれない。まあそうだろう。だから、僕がいったい何を言おうとしているのか見当がつかないとしても、心配しなくても大丈夫だ。このあと書くいくつかの記事で説明していく予定だから。

「わかる」まで苦労するような類のことについて話しているわけじゃない。それどころか、それは言葉では表せないほど単純なせいで、見落とされている可能性がものすごく高いことなのだ。あまりにも明白だから、ほとんどの人はその背後に潜んでいる比喩を見いだそうとする。いろんな禅語録や聖書の言葉の奥にある詩的な比喩みたいな感じのものがあるんじゃないかと。でも、背後には何もない。それは明白で、あとから考えてみればなんでもないような認識だけど、そこには桁外れな意味が含まれている。

ハーディングの教えは、誤解の中の誤解を見つけ出して解くための一見とても簡単に見える手法を中心に展開する。その誤解とは、すべての人間のあらゆる悩みの原因になっている根本的な認知上の錯誤だ。ヒント。ダグラスはその錯誤について動画の7分12秒の地点で話している。

僕はダグラスにすごく興味をもっているけど、それはスピリチュアルの世界に五万といる先生たちがせいぜいかすめることしかできなかった何かを、ダグラスが完全につかんでいるからだ。僕はこれまでにいろんな発見をしてきた。でも、このこと以上に自分の人生に豊かさと意味をもたらしてくれたものはひとつもない。

僕がここで話していることや、僕がこんなに興奮しているということに当惑したり、無関心だったり、どう考えればいいのかわからない人たちもいるだろうけど、ともかく今のところはそれで問題ない。伝えたいことはたくさんあるけど、時間はあるんだから。

あなたは見かけとは違う! (You are not what you look like!)

== 和訳は以上 ==

探してみたけれど、紹介されている動画の日本語字幕付き版はいまのところ無いようだ。

本文で触れられている部分だけ訳してみた (6分47秒から7分17秒まで)。

「ちいさな子どものころ、鏡に写っている人は自分の友だちでした。鏡の中にいるのは友だちだったんです。自分自身ではなく、友だちです。幼いころ、わたしたちは正気でした。たしかに正気でした。それで、真実を語っていました。鏡の中に小さな友だちがいるんだと。でも大きくなると、親が私になんども繰り返しこう言います。鏡の中にいる友だちのダグラスを指して、『あれがあなた。あなたなのよ』と。わたしはそれを信じてしまったというわけなんです」

このつぎは、シリーズの二つ目の記事を訳して紹介したい。(もしかしたら、その前に、上の記事で引用されている別の記事 Die on Purpose を訳すかもしれない)

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紹介したい人がいる ハーディング (1)」への2件のフィードバック

  1. 動画の和訳部分の話は現代思想のジャック・ラカンの鏡像段階の理論とほとんど同じだと思うのですが(鏡像段階については「ラカン 鏡像段階」とかで検索すればいっぱい説明のページがヒットするとは思いますが、まあ、ラカンの場合は人間とはそんなもので正常な人間というのは多少、神経症な人間のことを言うのだ、というようなスタンスですが、同じ現代思想のドゥルーズなどは、ラカンに対してそのようなオイディプス化されていない人間の在り方というようなものを提唱しているのですが、このあたりの思想はかなりアドヴァイタの思想に近いような気もします。

  2. こんばんは。素晴らしい言葉の翻訳有難うございます。ダグラスさんに興味がわきました。

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