科学の裏付けが必要?

 
トニー・パーソンズは、ミーティングで科学の話をすることがある。しばらく前に、ニュートリノが光速を超える速度で移動するというニュースがあった際には、興奮気味にそのことについて話をしていた。

僕は個人的にはその手の話、ニューサイエンスのような雰囲気は好きではない。学生時代に友人が夢中になっていて薦めてくれた『タオ自然学』が全然理解できなかったから、というわけではない。

直観的に分かることについて、なんで科学的裏付けが要るんだ、と感じるからだ。おいしい南インド料理を口にして、「美味しい!」と感じてから、それがなぜおいしかったのか、成分的に分析したり、製法を詳細に確認したりする必要を感じないのと同じだ。そのように詳しく知りたい人もいるだろうが、自分にはどうでもいい。

だから、トニーがその話を始めるたびに白けてしまい、「早く終わらないかな」と思ってしまう。戦後の高度成長期に働いていた人たち特有の科学信仰みたいなものだろう、と冷ややかになってしまう。

が、最近トニーのウェブサイトを見ると、「バックグラウンド」という表題のもとに、こんな文章が紹介されていた (こちら)。以下は翻訳。

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トニー・パーソンズは、アドヴァイタ・ヴェーダーンタと非二元論の性質に関して話をし、またそれらに関する研究や議論の手助けをしている。

彼は英国およびその他の国で活動しており、彼の著書は多くの国で出版されている。

彼の活動の本質は、基本的には、現実の非二元的および非個人的な性質をはっきりと示し、スピリチュアルな達成へ向かう漸進的な道という二元的な信念の矛盾を明らかにするということである。

この非二元的メッセージの起源は、何世紀も前の次のような教えにあるようだ。老子の教え、シャイバイト・タントラ、シャンカラやガウダパーダ等の教義を通したアドヴァイタ・ヴェーダーンタ、ロンチェンパやマハームドラ等の教義を通したゾクチェン、そして、黄檗が伝えた禅仏教のそもそもの教え。

非二元的な認識の表現は、キリスト教神秘主義の中にも見いだせる。

もっと最近では、マイスター・エックハルト、U. G. クリシュナムルティ、ラメッシ・バルセカール、ウェイ・ウー・ウェイ、アラン・ワッツの教えも、大まかに言えば、非二元の原則から出ているものだと言うことができる。

そして、トニー・パーソンズの場合、非二元の認識を更に補強し裏書きするような、神経科学者や生物学者による最近の科学的な発見をも、彼のメッセージに盛り込んでいる。また、現実の性質について、宗教的な神秘主義者たちが何世紀にも渡って表現してきたのと同じ結論に、現在の物理学者が至りつつあることについても、トニーのメッセージにおいては力点が置かれている。

従い、トニーのメッセージは、広く認められている伝統的な教えにその起源があるものの、それだけではなく、最近の科学的な発見をも採り入れている。それにより、洞察力があって包括的なものとしての彼のメッセージの信ぴょう性が更に高まっている。

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わざわざこんなことを書き加えるというのは、今後はもっとそういう話をするぞという方針表明なのか、もしくは同じような話をする人たちが続出する中で、マーケティング的な差別化を図っているのか、どういう意味なのか分からない。

おそらく狙いがあるわけではなく、それはただそういうこととして起こっているということなのだろう。

今の気分としては、そういう科学の話で思考の迷路に迷わせられるよりは、たった今どうなっているか、というジョーン・トリフソンの指し示しが好ましい。

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